ロボコン30年目の集大成「ROBOCON 30th」を振り返って

このホームページを御覧の皆さんは去年「ロボコン」という言葉をどれくらい聞きましたか?
ロボコンには「NHK学生ロボコン」、「ABUロボコン」、「高専ロボコン」の3つがあるのですが、2017年は「高専ロボコン」が始まって30年目! NHK総合テレビでは初めての「高専ロボコン」の生放送を行いました。また「学生ロボコン」の世界大会「ABUロボコン」も8年ぶりに東京で開催されるというダブルでメモリアルな一年だったんです。
30年を盛り上げるため、「ROBOCON 30th」と銘打って、2017年4月から総合テレビで放送されたアニメ「アトム ザ・ビギニング」とのコラボを行い、またロボコン応援団を結成して「学生ロボコン」から「高専ロボコン」まで、1年を通して応援しました。また、30年をお祝いするロボット動画を公募し、コンテストも行いました。
http://www.official-robocon.com/robocon30/

4月29、30日には「ニコニコ超会議」に初参加、5月3~5日に渋谷で開催された「渋谷DEどーも」にも参加しました。

ニコニコ超会議に参加した 金沢工業高等専門学校「投げろ!ホースちゃん」(2016年)

ニコニコ超会議に参加した 金沢工業高等専門学校「投げろ!ホースちゃん」(2016年全国大会出場)

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ニコニコ超会議でのトークショー

渋谷DEどーもに参加した 大分工業高等専門学校「跳べ!ライオン君!!」(2013年)

渋谷DEどーもに参加した 大分工業高等専門学校「跳べ!ライオン君!!」(2013年全国大会デザイン賞受賞)

6月11日に大田区総合体育館で開催された「NHK学生ロボコン2017」ではインターネットでライブ配信したうえで、7月17日に総合テレビで放送しました。さらに、8月27日の「ABUロボコン東京大会」では、史上初となるライブストリーミングでの多言語配信を行い、世界中から200万人以上の方々に見ていただくことができました。

ABUロボコン優勝のベトナムチーム

ABUロボコン優勝のベトナムチーム

8月19日から北海道で開催された「はこだて国際科学祭2017」、10月21、22日に日本科学未来館で開催された「NHKサイエンス スタジアム2017」といったイベントにも参加し、多くの人がロボットに触れる機会をつくってきました。

はこだて国際科学祭に参加した 小山工業高等専門学校 「ケロミさん」(2013年)

はこだて国際科学祭に参加した 小山工業高等専門学校 「ケロミさん」(2013年全国大会特別賞受賞)

そして、10月1日から5週にわたって「高専ロボコン」の地区大会が行われ、それぞれの地区で放送されました。また、11月27日からはEテレ「Rの法則」の番組内で高専ロボコンをテーマにした初のドラマ「大江戸ロボコン」が4日連続で放送されました。

そして迎えた12月3日、いよいよ「ROBOCON 30th」の最後を締めくくる「高専ロボコン全国大会」を有明コロシアムで開催。

高専ロボコン全国大会

高専ロボコン全国大会

今年のテーマは「大江戸ロボット忍法帖」、10年ぶりにロボット同士が直接ぶつかりあうガチンコ勝負で、見た目にも勝負が分かりやすくなりました。会場で4,900人の応援団や観客が見守る中、出場する高等専門学校は26チーム。全国57校、62キャンパス、124チームから各地区大会を経て決まった精鋭たちです。どのチームも強さ、早さ、美しさ、楽しさなど一芸を持ったロボットで参戦、各試合で会場を沸かせました。

高専ロボコン決勝

高専ロボコン決勝

決勝は九州沖縄地区から参加の北九州工業高等専門学校と東海北陸地区から参加の石川工業高等専門学校。どちらも相手の本陣をあっという間に陥落させる圧倒的な破壊力を持ち、それまでの戦いでは安定感のある勝利を積み重ねてきたチームです。結果は僅差で北九州高専が勝利しましたが、30回記念大会の決勝戦にふさわしい手に汗握る戦いとなりました。当日の様子は総合テレビで初の生放送&インターネットストリーミングで配信し、各試合の様子はホームページからVODで見ることが出来ます。
http://www.nhk.or.jp/robocon/kosen/index.html

このようにNHKとNHKエンタープライズは1年を通して猛烈に「ロボコン」をアピールし続けました。11月にはKKベストセラーズから高専ロボコンのドキュメント本「闘え!高専ロボコン ロボットにかける青春」が発売され、またある高専チームには某民放キー局のドキュメント番組撮影クルーが張り付き、2018年1月に放送されると聞いています。
初めて尽くしの企画でガンガン迫った「ロボコン」。皆さんのところにどれほど届いたでしょうか?

NHK学生ロボコンの応援団

NHK学生ロボコンの応援団

私たちがここまでしたのには理由があります。単に30年目だからお祭りにしたかった・・・・からではありません。

高専ロボコン優勝を決めた北九州高専チーム

高専ロボコン優勝を決めた北九州高専チーム

「ロボコン」の中には普遍的な価値があると信じているからなんです。初めてロボコン大会を会場で実際に見た多くの人は「こんなに面白いとは思わなかった~」という感想をアンケートに書いてくれます。これホントなんです。ロボコンなんて別に見なくても生きていける、けど一度見るとその魅力にはまってしまうんです。

高専ロボコン関東甲信越地区大会の応援団

高専ロボコン関東甲信越地区大会の応援団

なぜはまるのか?
ロボットそのものが面白い、試合が白熱する、など様々な理由があると思いますが、もっとも人を引き付けているのは「学生の本気さ」だと思っています。競技の中で思いを果たせた学生は本気で喜び、かなわなかった学生は本気で涙します。飾ることなく「本気」になって取り組んでいる若者の姿はすがすがしくもあり、うらやましくもあります。その姿に見ている人も熱くなり、癒されたりもします。だから「ロボコン」にはまっちゃうのです。

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「ROBOCON 30th」は終わりましたが、2018年も「ロボコン」は続きます。2018年6月10日には「ABUロボコン」の予選であり学生日本一を決める「NHK学生ロボコン」が大田区総合体育館で開催される予定です。また、10月7日から11月4日にかけて全国8地区で「高専ロボコン」の地区大会が開催、11月25日には両国国技館で「高専ロボコン」の全国大会が開かれる予定です。
ぜひ一度会場に見に来てください! 事前の応募が必要ですが、無料で入場できます。学生たちの熱い姿に、きっとほっこりした温かい気持ちになれますよ!

(グローバル事業本部 イベント・映像展開 新井智久)


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