尾野真千子×稀代の悪女
不朽の人間愛憎劇「怪談牡丹燈籠」を令和元年の新たな視点で完全映像化!
恋焦がれて死んだ美しい娘の幽霊が、カラン、コロンと下駄の音を響かせ、夜ごと愛しい男を訪ねる怪談「牡丹燈籠」。実はこの「お露・新三郎」の怪談話は、初代三遊亭圓朝による長編落語のほんの一部にすぎません。原作は、お露の父・平左衛門とその忠臣・孝助、お家乗っ取りを企む希代の悪女・お国と、その間男・源次郎、強欲な町人夫婦・伴蔵とお峰…。男女の色と欲が生々しく交錯するドロドロの人間ドラマであり、20年にもわたる壮大な敵討ち、因果応報の物語になっています。その不朽の人間愛憎劇を、令和元年の新たな視点と演出で、初めて完全映像化します!
<物語>
時は寛保三年、剣客で知られた旗本の青年・飯島平太郎は、訪れた本郷の刀剣商で酒に酔った浪人に絡まれ、若気の至りから斬り殺してしまう。幕府によっておとがめなしとの裁定となったものの、全てはこの事件が発端となる。時は流れ20年後、平太郎は家督を継ぎ平左衛門となり、妻との間には可憐な一人娘・お露が生まれていた。しかし妻は若くして病死、奥方付きの侍女だったお国は、やがて家内を取り仕切り、平左衛門の愛人となり権力を握っていくことになる。ある時、壮健な若者・孝助が士官を願い出てやってくる。実は孝助は平左衛門とは不思議な因縁で結ばれた男であった。一方なかなか縁談に応じず父を困らせていたお露は、医師・山本志丈の仲介により、美男の浪人・新三郎と運命の恋に落ちる。それは許されざる恋だった。
お国(くに) 役 主演・尾野真千子さん
今回の脚本ではお国がいまだかつてなく深く描かれており、今まで幽霊の出てくるファンタジーと思われてきた物語に濃厚な人間味が出ていてワクワクしました。お国は欲望に抗えない性格の悪い女ですが、その存在はとても生々しく現代的で、女として気持ちがわかる部分もあります。面白がって演じようと思っています。
宮辺源次郎(みやべ げんじろう) 役 柄本佑さん
歌舞伎などでは、情けない男として描かれる源次郎役が本作品では一筋縄ではいかない悪人キャラとして丁寧に描かれていて、皆が知っている「牡丹燈籠」とはかなり違った新しい「牡丹燈籠」になっています。源次郎役はいわゆる「色悪」。型があるようでないので、昔の長谷川一夫や市川雷蔵の時代劇を見直して研究中です!
萩原新三郎(はぎわら しんざぶろう) 役 中村七之助さん
今の時代ならではの解釈がとても面白い脚本だと思いました。新三郎は運命的な恋をして人生が激変し、真実の愛を知ってしまったがゆえに悲しい結末を迎えます。愛を貫く姿は、はかなくも美しく、とても演じがいがあります。私にとっては久しぶりの映像作品です。見てほしくないような恥ずかしい気持ちもありますが、見逃せない作品になると思います。どうぞお楽しみください。
お露(つゆ) 役 上白石萌音さん
人間の愛憎が交差する物語に、文字を追うだけで心が乱れました。そしてみなさんと初めて顔を合わせて読み合わせをした日の緊張と感動のまま、現場でも濃密な時間を過ごしています。ひとの真ん中を覗いてしまうような感覚の怪談になると思います。先輩方の背中を追って精一杯努めます。
飯島平左衛門(いいじま へいざえもん) 役 髙嶋政宏さん
脚本を読んで、とにかく興奮しました!レ・ミゼラブルのように極悪人だけが幸せになるわけでも、ゾンビのように屍人との戦いに明け暮れるだけでもない!その根底には本格時代劇がある!紛れも無く、そこには正義がある!物語の流れの中に楔のように所々に打ち込まれるエロス。
その構成の妙により、まるでボディブローのように効いてくる、この奇跡の作品!皆さんの眼でお確かめください!
【放送予定】
2019年10月6日(日)スタート
BSプレミアム 毎週日曜 よる10時(全4話)
<第1話のみ79分 、第2~4話 各49分>
その後、BS4Kでも、前編「因の巻」・後編「果の巻」(各120分)で放送予定。
【再放送予定】
BSプレミアム
第1話 10月13日(日)16時00分
第2話 10月20日(日)16時30分
第3話 10月27日(日)16時30分
最終話 11月3日(日)16時30分
【脚本・演出】
源孝志(「京都人の密かな愉しみ」「スローな武士にしてくれ」)
【音楽】
阿部海太郎
【出演】
尾野真千子 柄本佑 若葉竜也 谷原章介 戸田菜穂 石橋菜津美/中村七之助 上白石萌音/
犬山イヌコ 中原丈雄 笹野高史 伊武雅刀 /段田安則/ 髙嶋政宏 ほか
【語り】
神田松之丞
【制作統括】
千野博彦(NHK)、伊藤純 川崎直子(NHKエンタープライズ)、八木康夫(オッティモ)
【番組ホームページ】
https://www4.nhk.or.jp/P5858/