本音と建前というが、建前にこそ本当の本音がある
音楽番組プロデューサー 佐渡 岳利
NHKエンタープライズで音楽番組やライブ演出、映画など多岐にわたるエンターテインメント作品を手がけるプロデューサー。紅白での中島みゆき『地上の星』や米津玄師の『Lemon』の演出など、アーティストの世界観を最大限に引き出す舞台づくりを行ってきた。
“アーティストが最も輝く瞬間をどう作るか”をテーマに、音楽と映像の新たな表現を追い続けている。
“アーティストが最も輝く瞬間をどう作るか”をテーマに、音楽と映像の新たな表現を追い続けている。
#1
これまでの経緯/
NEPに入社した理由
1990年にNHKへ入局し、最初の配属は芸能部(現・エンターテインメント部)でした。当初はドラマを志望していましたが、音楽番組の制作に関わるうちに、音楽そのものの力と奥深さに魅了されていきました。
その後、大阪局での勤務を経てNHKエンタープライズに出向し、NEPへ転籍。これまで、『紅白歌合戦』をはじめとする音楽番組や大型特番、映画やイベントなど、幅広い作品の演出・プロデュースを手がけてきました。現在はエンターテインメント部で、番組制作だけでなく、ライブや映画など表現の領域を横断しながら活動しています。
その後、大阪局での勤務を経てNHKエンタープライズに出向し、NEPへ転籍。これまで、『紅白歌合戦』をはじめとする音楽番組や大型特番、映画やイベントなど、幅広い作品の演出・プロデュースを手がけてきました。現在はエンターテインメント部で、番組制作だけでなく、ライブや映画など表現の領域を横断しながら活動しています。
#2
現在の
仕事内容と役割
音楽やエンターテインメントを中心に、番組の企画・演出・プロデュースを担当しています。立場としてはディレクターとプロデューサーの両面を持ち、構成・撮影・編集・放送まで一貫して関わります。
現場では、演出を“ディレクターからの指定”ではなく“対話”として進めることを大切にしています。「アーティストと同じ温度で作品に向き合う」こと。それが、いいステージを作るための最も大切なポイントだと思っています。
現場では、演出を“ディレクターからの指定”ではなく“対話”として進めることを大切にしています。「アーティストと同じ温度で作品に向き合う」こと。それが、いいステージを作るための最も大切なポイントだと思っています。
#3
思い出深い
プロジェクト
紅白歌合戦
印象に残っているのは、中島みゆきさんの『地上の星』を担当した時の事です。黒部ダムのトネンルという、特殊な空間をどう生かして演出するかに心を砕きました。また中島みゆきさんの歌唱を期待する全国の視聴者が納得するシーンにしなければならないという強い義務感をもって臨んだことを覚えています。
また、米津玄師さんの『Lemon』では、鳴門の大塚美術館での撮影を行い、5,000個以上のキャンドルをはじめ、歌を表現する世界を作りこみました。
作品やアーティストの個性を大切にしながら、 “その人に合った空間”をどう作るかを常に意識しています。
また、米津玄師さんの『Lemon』では、鳴門の大塚美術館での撮影を行い、5,000個以上のキャンドルをはじめ、歌を表現する世界を作りこみました。
作品やアーティストの個性を大切にしながら、 “その人に合った空間”をどう作るかを常に意識しています。
『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』
この作品が東京国際映画祭で上映されたのでレッドカーペットをPerfumeのメンバーと一緒に歩きました。もちろん初めてだったので、レッドカーペットとは何をするのかとビクビクしていましたが、ただ歩いて写真をとるだけだったのでかなり衝撃を受けました。
『MUSIC AWARD JAPAN』
会場下見時にオープニングシーンのガイド映像を撮り、アーティストやMCの菅田将暉さんの代役をやったのですが、この動画が意外に好評で今でもスタッフの間で話題になります。どこが良かったのか自分ではわかりませんが(笑)
#4
演出を考えるうえで
大切にしていること
演出を考えるときに大切なのは、“余白”を残すことだと考えています。作り込みすぎると、観る人の想像を奪ってしまう。
映像や音に“間”をつくることで、観る側の感情が動き出す瞬間が生まれます。
もうひとつ意識しているのは、制作者が前に出すぎないこと。演出家が主張するのではなく、受け手が「今これが見たい。こうあって欲しい」と思うことをベストなタイミングで過不足なく伝えることこそが、アーティスト自身の魅力を最大限に引き出せると思っています。
映像や音に“間”をつくることで、観る側の感情が動き出す瞬間が生まれます。
もうひとつ意識しているのは、制作者が前に出すぎないこと。演出家が主張するのではなく、受け手が「今これが見たい。こうあって欲しい」と思うことをベストなタイミングで過不足なく伝えることこそが、アーティスト自身の魅力を最大限に引き出せると思っています。
#5
アーティストとの
信頼関係づくり
信頼関係の基本は「愛情」だと思っています。
その人の音楽や言葉に対して、どれだけ真剣にリスペクト…つまり「愛」を持てるか。それがあれば、自然と相手との距離が縮まり、現場の空気も変わっていきます。
“撮る”のではなく、“一緒に作る”。そういう気持ちで向き合った作品ほど、強い熱を持って視聴者に届くと感じています。
その人の音楽や言葉に対して、どれだけ真剣にリスペクト…つまり「愛」を持てるか。それがあれば、自然と相手との距離が縮まり、現場の空気も変わっていきます。
“撮る”のではなく、“一緒に作る”。そういう気持ちで向き合った作品ほど、強い熱を持って視聴者に届くと感じています。
#6
エンターテインメントの
本質
エンターテインメントは報道と違い「客観的事実の伝達」ではありません。つまり「虚像」なのですが、だからこそ、そこに人間の持つ本当の気持ちや事実とはちょっと意味の違う「真実」を込めることができるものだと思います。本音と建前とよく言いますが、建前やきれい事にこそ実は本当の本音があって(例えば、戦争はやってはいけないと思う気持ちや家族や友人などを大切に思う気持ちなど)、エンターテインメントは、そういったことを声高らかに謳うことができるものなのだと思っています。
#7
これから
挑戦してみたいこと
これまで培ってきた音楽演出の経験を生かして、ドラマや映画にも挑戦してみたいと思っています。
人の成長や葛藤を描く作品を、自分の表現で届けてみたい。
音楽と物語、両方の世界に通じる“心の動き”を、映像で描いていけたらと思っています。
人の成長や葛藤を描く作品を、自分の表現で届けてみたい。
音楽と物語、両方の世界に通じる“心の動き”を、映像で描いていけたらと思っています。
#8 NEPの強み/社風
NHKエンタープライズは、音楽番組だけでなく、ドラマや映画、イベントなど、幅広いジャンルの仕事があります。それぞれの分野で専門性を持った人たちが集まっていて、互いに協力しながら作品を作り上げていけるのが強みです。やりたいことを自分から発信すれば、チャンスをもらえる環境でもあります。
音楽や映像を中心にしつつも、そこにとらわれず、新しいことに挑戦できる会社だと思います。
音楽や映像を中心にしつつも、そこにとらわれず、新しいことに挑戦できる会社だと思います。
#9
採用候補者への
メッセージ
何か特技があるとか、こんな才能がある…というような必要は全然ありません。私はいったい何ができるんだろう???、というぐらいがこれから伸びしろが沢山あるはずです。
現に私も学生時代エンタメ関係のサークルに入っていたわけでもないですし、準備もしていませんでしたし、何かができたわけでも全くありません。会社に入ってから毎日少しづづでも成長すれば十分だと思います。
現に私も学生時代エンタメ関係のサークルに入っていたわけでもないですし、準備もしていませんでしたし、何かができたわけでも全くありません。会社に入ってから毎日少しづづでも成長すれば十分だと思います。
#10
クライアント様への
メッセージ
番組制作をはじめ、ライブや映画、イベントなど、さまざまな形の映像演出に対応しています。アーティストや制作パートナーの方々と目標を共有しながら、一緒により良い作品を作っていくことを大切にしています。これからも柔軟な発想で、エンターテインメントを通して人の心に残る映像を届けていきたいと思います。また、NHKとのパイプを生かした安心感のある制作大きなも強みのひとつです。
プロフィール
佐渡 岳利 (さど たけとし)
NHKエンタープライズ エンターテインメント部
エグゼクティブ・プロデューサー/ディレクター。
1990年に NHK に入局。以来、音楽番組やエンターテインメント番組を中心に多数の制作を手がけ、これまでの主な担当番組は「紅白歌合戦」、「MUSIC JAPAN」、「スコラ坂本龍一 音楽の学校」「岩井俊二のMOVIEラボ」「Eダンスアカデミー」など。Perfume初の映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』や細野晴臣の『NO SMOKING』などのドキュメント映画の監督も務めている。
また、「MUSIC AWARD JAPAN」のプロデュース・演出、「MUSIC EXPO LIVE 2025」の演出も担当。
エグゼクティブ・プロデューサー/ディレクター。
1990年に NHK に入局。以来、音楽番組やエンターテインメント番組を中心に多数の制作を手がけ、これまでの主な担当番組は「紅白歌合戦」、「MUSIC JAPAN」、「スコラ坂本龍一 音楽の学校」「岩井俊二のMOVIEラボ」「Eダンスアカデミー」など。Perfume初の映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』や細野晴臣の『NO SMOKING』などのドキュメント映画の監督も務めている。
また、「MUSIC AWARD JAPAN」のプロデュース・演出、「MUSIC EXPO LIVE 2025」の演出も担当。