「モンゴル アルタイ山脈 桐谷健太が目撃! 幻のユキヒョウ」 (NHK総合テレビ)

尿でにおいをつけるユキヒョウ(夜間撮影)

尿でにおいをつけるユキヒョウ(夜間撮影)

当社の自然科学番組チームが2012年から追い続けている“幻の動物”ユキヒョウ。今回、俳優の桐谷健太さんとともに、モンゴル・アルタイ山脈の過酷な自然の中、ユキヒョウの生態の撮影に挑みました。桐谷さんの挑戦の様子をプロデューサーの伊豆浩がご紹介します。


幻のユキヒョウ その姿に迫る!

制作本部 自然科学番組 エグゼクティブ・プロデューサー 伊豆浩(写真左、ロケ地にて)

制作本部 自然科学番組 エグゼクティブ・プロデューサー 伊豆浩(写真左、ロケ地にて)

撮影の舞台は標高3,000メートル、夏でも寒く、むき出しの岩場が続く険しい山岳地帯。そんな場所に住むからこそ、世界でもほんの一握りの人しか出会ったことがなく、“幻の動物”とまで言われているのが、今回撮影に挑むユキヒョウです。

 

私たちNHKエンタープライズの自然科学番組のチームは、モンゴルのアルタイ山脈で、2012年からユキヒョウの取材を敢行してきました。現地研究者の労を惜しまぬ観察と高地に生きる遊牧民ならではの情報と協力を得て、これまでに断崖の岩穴で子育てをする様子、険しい山を転々と移動しながら成長する幼い子どもたち、さらに繁殖期に複数の個体がなわばりを行き交う行動など、世界でも類を見ない、様々なユキヒョウの姿の撮影に成功してきたのです。

今回、私たちはユキヒョウを撮影するために、まずは、ウシ科の哺乳類・アイベックスを探しました。ユキヒョウが狙う最大の獲物だからです。アイベックスは、急しゅんな崖でも軽やかに走ります。
ユキヒョウはこの手ごわい相手を前にすると、足場の悪い急斜面を、なんと落ちるよりも早い猛スピードで駆け抜けていきます。そしてアイベックスに接近、10メートルもの大ジャンプ! のどを引き裂き、一撃でしとめると言います。

アイベックス

アイベックス

撮影を試みたのは、これまでふた組の親子を発見した、私たちにとって幸運な場所でした。その親子がどうなったのかも、時間をかけて追跡しました。


幻のユキヒョウの目撃に挑むのは、“野良人”桐谷健太さん

桐谷健太さん

桐谷健太さん

さらに今回の番組では、俳優の桐谷健太さんにも撮影に参加していただきました。モンゴルの大自然に身を投じ、四輪駆動車で荒地を走り、時には馬にまたがって旅をします。高山の過酷な環境を体感しながら、幻のユキヒョウの目撃に挑みます。

桐谷健太さんは、自らのことを「野良人(のらびと)」と呼び、世界を放浪してきました。今回、“幻の動物”をぜひ見てみたいと、ユキヒョウ探しの旅へ出たのです。
モンゴルの首都ウランバートルからプロペラ機に乗って3時間、そこからさらに車で6時間、途中からはゴロゴロした石だらけの道なき道を走って、山を登っていき、ようやくベースキャンプにたどり着きます。そこで桐谷さんは、遊牧民の移動式住居・ゲルに泊まり、ラクダの乳を飲み、毎食ヒツジやヤギを食べながら、ユキヒョウを探します。
ユキヒョウは遊牧民たちでも、めったに見ることのない生きもの。一生見ないまま終わる人も多いと言います。当然、目撃するのは、超難題なのですが、それに桐谷さんが挑戦したのです。

ゲルの中で撮影の作戦会議

ゲルの中で撮影の作戦会議

ユキヒョウが暮らすのは、高山の険しい崖。石の塊がごろごろしていて、歩いて到達するのも非常に厳しいところです。
しかし、遊牧民たちにはどこにでも行ける足があります。「馬」です。険しい山岳地帯でも、馬なら登ることができます。
桐谷さんのユキヒョウ探しは、乗馬の訓練から始まりました。馬に乗るのは初めての桐谷さんですが、遊牧民に引かれて馬を歩かせているうちに、みるみる自分で乗れるようになってきました。馬を使って3,000メートル級の山をいくつも超えて、ユキヒョウを探し歩いたのです。

乗馬の訓練をする桐谷さん

乗馬の訓練をする桐谷さん

崖の上でユキヒョウを探す桐谷さん

崖の上でユキヒョウを探す桐谷さん(右)

次々と巻き起こる困難に立ち向かう桐谷さん、“幻のユキヒョウ”に奇跡的に出会うことができるのか……。
その結末は、ぜひ番組でお楽しみくださいませ。


「モンゴル アルタイ山脈 桐谷健太が目撃! 幻のユキヒョウ」

8月25日(火) 夜7:30~8:43 NHK総合テレビで放送予定
番組ホームページ