DVD 「時代と歩んだ国鉄列車」 発売について

当社は、DVD「時代と歩んだ国鉄列車」(5巻シリーズ)を、5月29日に発売します。
激動の昭和を駆け抜けた国鉄は、戦後日本の歩みとともに発展していきました。DVDには、戦後直後の鉄道の姿に始まり、復員列車やディーゼルカーの映像、そして花形客車特急「つばめ」「はと」や修学旅行専用電車「ひので」「きぼう」、さらには東海道新幹線・起工から開業まで、時代を彩る様々な列車と日常の風景の数々を多数収録しました。
今回NHKアーカイブスのストックを約150時間かけて検索し、60時間に及ぶ貴重な映像を発掘しました。DVDはこれらの映像を精査し、再編集して制作しました。国鉄時代の鉄道とともに、鉄道とともに歩んできた時代の懐かしい風景は、鉄道ファンだけでなく、多くの皆さんに楽しんでいただけるものと考えています。

■各巻の見どころ

1 終戦と鉄道の復興

長く続いた戦争が終わり、日本の鉄道は復興の道を歩み始めます。多くの車両が失われ、要員、燃料も不足し、その歩みは遅々としたものでしたが、かつての姿を取り戻そうとする鉄道の懸命な姿が、人々の心のよりどころとなりました。当時の主力となっていた、戦時中の設計による簡易構造の車両や、混乱が続く中で運転された列車の傷みきった姿を収めたニュース映像が、雄弁に時代を物語っています。

C62

終戦の動乱もおさまり、昭和23年に誕生した“シロクニ”ことC62形蒸気機関車の1号機完成式。「銀河鉄道999」の999号のモデルとなった。

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昭和25年春、上野動物園が国鉄を利用して移動動物園を行い、東日本各地を巡った。

2 進展する近代化

昭和30年代に入ると、国鉄は本格的な近代化の時代を迎えました。東海道本線の全線電化完成を機に、国鉄初の電車による特急「こだま」が誕生。従来から運転されていた特急「つばめ」「はと」も、塗装を明るい緑に改め、すぐに“青大将”のニックネームが贈られました。東京~博多間では後にブルートレインとして人気を博す「あさかぜ」が運転を開始。『動くホテル』と呼ばれ、庶民の憧れの的となりました。

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昭和33年にデビューしたビジネス特急「こだま」。2年前には東海道本線の全線電化が完了。新たな電車特急時代の訪れを告げた。

 

3 無煙化計画と電車時代の到来

昭和30年代は、地方線区の近代化が進められた時代でもありました。続々と登場したディーゼルカーが蒸気機関車を淘汰し、東北や九州などでは新方式の交流による電化が進められました。上野~青森間には初のディーゼル特急「はつかり」が誕生。それは東海道・山陽以外を走る初めての特急でした。華やかなディーゼル特急の姿は、やがて訪れる特急の時代を予感させました。

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昭和34年に登場した中学の修学旅行専用車「きぼう」。生徒たちの夢や希望を乗せて走る電車にしようと命名された。

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昭和35年の高崎線上野行き通勤列車。高度経済成長と都市部の過密化により、東京やその近郊での混雑は「通勤地獄」と呼ばれるほどに。

 

4 特急網の全国拡大と貨物輸送の増強

昭和30年代後半を迎えると、地方線区の近代化が積極的に進められるようになりました。それまで特急とは無縁だった地方にもディーゼル特急が進出。真新しいキハ82系の姿が美しい。この時代に姿を消した信越本線のアプト式鉄道の現役時の映像、開通した当時の北陸トンネルも紹介。今日では見ることのできない貴重なシーンです。

5 東海道新幹線開業

東海道新幹線の建設は国家的プロジェクトとなりました。この巻には、その計画立案・検討から開通までの足取りが克明に記録されています。鴨宮(かものみや)モデル線区を走る試験車1000形の姿は、いま見ても魅力的です。そして昭和39(1964)年10月1日、東海道新幹線開業。「ひかり1号」発車の模様などを貴重なドキュメント映像でたどります。

shinkansen

新幹線試験車両1000系。A編成は営業運転には登場しないカラーリングの“幻の車両”。

 

商品について

DVD-kokutetsu「時代と歩んだ国鉄列車」(全5巻) ※5巻組DVD-BOXあり

  • 監修・宮澤孝一氏(鉄道友の会)
  • 各巻封入特典:貴重な列車が写った「特製ポストカード」付
  • BOX封入特典:解説ブックレット(24ページ)付

本体価格(税抜き)  各巻 3,000円
DVD-BOX 15,000円